「オーディブルを使ってるけど、内容を全然覚えていない。これって自分の頭が悪いから?」
「オーディブルって頭に入らないと聞くけど、本当に意味あるの?」
「せっかくAudibleを聴くのだから、ちゃんと頭が入るようにしたい」
本記事は上記のお悩み・疑問を解決します。
もしあなたが今「Audibleを聴いてるけど、頭に入らない」と悩んでいるなら、まずは頭に入らない原因を探ってみてください。
原因を探れば、対処法が見えてきます。対処法が分かれば、あとは解決のために実践あるのみです。
本記事では1日1時間以上音声コンテンツを聴く私が、Audibleが頭に入らない3つの理由と、スッと頭に入るようになる対処法7つを解説していきます。
当記事を読み終えて対処法を実践すれば、「Audibleが頭に入らない」という悩みがなくなりますよ。
Audibleが頭に入らない3つの理由
Audibleが頭に入らない3つの理由としては、下記が挙げられます。
Audibleが頭に入らない3つの理由
では、それぞれ詳しく解説していきます。
理由1.「頭に入る」という状態を勘違いしているから
Audibleが頭に入らない!と感じる前に、そもそも「頭に入らない」とはどんな状態でしょう?
- 読んだはずなのに内容を思い出せない
- 結局、何を学んだのかわからない
こんな風に感じるからでしょうか?それなら、全く気にしないでOKです。それが当たり前のことだからです。
そもそも人間の脳は、入ってきた情報はすぐに忘れるという特徴があります。
例えば、当記事の冒頭部分、どのようなことが書かれていたか覚えているでしょうか?
おそらく、「えっと……なんだっけ?」とすぐには思い出せないと思います。
1分前に読んだ文章すらきちんと覚えていないのですから、何時間にも及ぶAudibleの内容を覚えていなくても当たり前なのです。
よほど印象的だったシーン以外は、覚えていないのが普通のこと。
なので、「Audibleを聴いても頭に入らない」と考えるのではなく、まずは「一度聞いただけでは頭に入らないのが当たり前」だと認識してください。
英単語と全く同じ、と考えると分かりやすいでしょうか。
英単語は一度見ただけで覚えられないのが当たり前なので、何度も繰り返し学習して覚えていきます。
学生時代を思い出してください。
あなたも繰り返しの反復学習を経て、一つ一つの英単語を覚えてきたはずです。
英単語ひとつを記憶するためにも繰り返し学習が必要なのですから、一度読んだ(聴いた)本の内容を覚えている方が珍しいのです。
あなたの記憶力が悪いということでは決してありません。極めて正常ですのでご安心を。
同じ本を読み返した時に「あぁ、そういえばそうだったな」と思える程度で十分です。
そもそもの話、本は最初から最後まで一字一句読む必要はないですし、書かれている内容を暗記する必要もありません。
まずは、読書に対する誤った先入観を捨ててください。
先入観を捨てるだけでも、かなり読書が楽になりますよ。
理由2.マルチタスクになっているから
オーディブルが頭に入らない理由として「マルチタスクになっているから」というものが挙げられます。
マルチタスクとは、集中力を要する二つの作業を同時進行で行うことです。
例えば、2502×12という計算を頭の中で解きながら、赤いものを5つ思い出してみてください。
おそらく、同時に考えるのは難しいと思います。
計算自体は、2500×12と2×12の答えを足せば簡単に解けますし、赤いものを5つ思い出すのも、そんなに難しいことではありません。
つまり、ひとつひとつシングルタスクで片づけていけば、容易にできることなのです。
にも関わらず、マルチタスクになった途端、難易度が跳ね上がります。
簡単な問題でもマルチタスクになった途端に難しくなる理由は、脳は一つの作業にしか集中できないからです。
先ほどの例でいえば「計算問題」と「赤いもの」を思い出すという二つの作業を、行ったり来たりしている状態。
言い換えると、集中力を分散させている状態です。
話が逸れてしまって申し訳ありません。オーディブルに話を戻しましょう。
「Audibleを聴いているけど頭に入らない…」という場合は、目の前の作業に集中したり、Audibleの内容に集中したりと、それぞれのタスクに集中力が分散しているからではないでしょうか?
【関連記事】⇒ ながら作業は危険なのか?マルチタスクにならない対処法を完全解説
私も経験があるのですが、目の前の作業に集中しすぎると「あれ?今なんの話をしてたっけ?」と思うことがあります。
ちゃんと耳ではAudibleを聴いていたはずなのに、です。
上司のつまらない話を聴きながら夕飯のことを考えていたら、「あれ?今うちの上司なんて言ってたっけ?」と思うのと同じというと分かりやすいでしょうか?
もし、作業中にAudibleを聴いているなら、目の前の作業に集中しすぎていないか確認してみてください。
「Audibleの内容」と「目の前の作業」を行ったり来たりしている場合は、それはマルチタスクになっているので、頭に入らなくなってしまいます。
理由3.無意識に聴き逃しているから
作業中にAudibleを聴いていると、目の前の作業に集中しすぎて無意識に聴き逃していることがあります。
例えば、私は下記のときにAudibleを聴き逃すことがあります。
- 車の運転で大きな集中力を要するとき
- 家事中にイレギュラーが起きたとき
- 本を聴きながら思考しているとき
上記に共通しているのは、耳に入ってくる情報が遮断され、目の前の作業や思考に集中力を割いている点です。
例えば車の運転の場合、慣れていない道を走ったり、狭い道で対向車とすれ違ったりするときには、かなりの集中力を要するためAudibleの内容が頭に入らなくなります。
家事中のイレギュラーも同様です。
例えば、Audibleを聴きながらお皿洗いをしているとき、誤ってお皿を落としてしまい、慌てて片づけたとき。
細かな破片まで全て片付けるためには大きな集中力を要するため、耳に入ってくるAudibleの音声は全く頭に入りませんでした。
Audibleは通勤・通学や家事の隙間時間に最適の学習ツールなのですが、上記の例のように無意識に聴き逃すことも少なくありません。
【関連記事】⇒ 車通勤でAudibleを使わないと極めて損する話
こうしたケースが積み重なれば、「あれ?Audibleを聴いているけど、あまり頭に入ってない?」と聴き逃しがちになります。
Audibleが頭に入らない場合の7つの対処法
では、Audibleが頭に入らない原因を知ったところで、7つの対処法を紹介していきます。
オーディブルが頭に入らないときの7つの対処法
では、それぞれ詳しく解説していきます。
対処法1.読書へ対する完璧主義を捨て去る
オーディブルが頭に入らないときは、読書へ対する完璧主義を一切捨てることから始めましょう。
肩肘張らずにオーディオブック読書をすると、読書へのモチベーションを維持しやすいですし、集中しやすいからです。
完璧主義の傾向がある方ほど、「一言一句聴き逃さないように、オーディブルを聴こう」と考えてしまいます。
しかし、人間の集中力はそんなに長くは続きません。
いくらオーディオブックを使った読書でも、前のページの内容すら思い出せないことも普通にあります。
人間の集中力は続かないのが当たり前ですし、そもそも本の内容は全て記憶する必要は一切ないのです。
Audibleなどのオーディオブックを使って読書をする場合は、下記ように考えて取り組んでみてください。
- 本の内容を全部把握しないでOK
- 本の内容を聞き流してしまってもOK
- 読了後、全く覚えていなくてもOK
こんな感じで、おおらかな気持ちでオーディブル読書を楽しみましょう。
もし「1冊まるごと聴いたのに、全く覚えていない…」という場合でも、また聴けばいいのです。
幸い、オーディブル作品は聴き放題ですし、単品購入した作品であっても何度も何度も再生できます。
どうしても覚えたい本があれば、何度も聴きこめばOK。
こんな感じで読書へ取り組んでみると、「頭に入らない…」という完璧主義傾向を捨て去ることができますよ。
対処法2.紙の本とオーディオブックを組み合わせる
オーディブルを何度聞いても頭に入らない!という場合は、紙の本と組み合わせて、オーディブルを使ってみるのはいかがでしょう。
紙の本を開きながら、その本のオーディオブック作品を再生するというわけですね。
「そんなことして意味あるの?」と思うかもしれませんが、十分な効果に期待できます。
紙の本とオーディオブック作品を組み合わせて聞くことで、脳のリソースを節約し、本の内容が頭に入りやすくなるからです。
どういうことか説明します。
まず一般的な読書は、音韻表象(おんいんひょうしょう)という手順を踏まなければならないという前提があります。
音韻表象とは、目に入った文字情報を音声へ変換することです。
例えばあなたは今この文章を読んでいますが、脳の中で声を出しながら読んでいるのではないでしょうか?
これが、音韻表象です。
以上を踏まえたうえで、一般的な読書を行ったとき、どのような手順で脳へ情報が入ってくるか見てみましょう。
上図でご覧いただけるように、通常の読書は3つの手順を踏んで、脳へ情報が入ってきます。
対して、「オーディオブックを使った聴く読書」の場合、下記の手順となります。
上図をご覧のように、オーディオブックを使った読書は余計な手順が短縮され、脳へ直接入ってくるのです。
紙の本とオーディオブックを組み合わせれば、
- 目から文字情報が入る(紙の本)
- 耳へ直接言語情報が入るので音韻表象が要らない(オーディオブック)
- 音韻表象にリソースを使わない分、頭に入りやすくなる
となるわけですね。
目と耳両方から情報を入力できるうえ、読書へ使える脳のリソースも多くなる。
これって、とても凄いことではないでしょうか?
audiobook.jpのサービスを提供する株式会社オトバンク 代表取締役会長の上田渉さんは、紙の本とオーディオブックを組み合わせた読書を「補助輪付きの読書」と例えています。
「補助輪付きの読書」って、すごく秀逸な例えではないでしょうか?
オーディブルの内容が頭に入らない…という場合は、ぜひ補助輪付きの読書を試してみてください。
私も実際に試していますが、かなり集中して本が読めるので、内容が頭に残りやすいですよ。
対処法3.オーディブルは無意識に出来る作業と組み合わせる
家事をしながらオーディブルを聴くなど「ながら読書」をする場合、無意識に出来る作業と組み合わせましょう。
ながら読書をするときは、無意識に出来る作業と組み合わせないとマルチタスクになってしまうからです。
マルチタスクは本当に最悪で、脳に負担がかかる上に本の内容が全く頭に入らなくなります。
マルチタスクになるのを避けるためにも、Audibleでながら読書をする際は、無意識にできる作業と組み合わせてください。
例えば私はよく家事でオーディブルを聴いていますが、下記の場合は必ずと言っていいほどAudibleを使っています。
- 料理をする
- 洗濯物をたたむ
- 掃除機をかける
上記の作業は、ほとんど無意識に作業ができるので、オーディブルを聴きながらやってもマルチタスクにはなりません。
あなたも毎日家事をやっていると思いますが、まずはオーディブルを聴きながら、一通り家事をこなしてみてください。
一度試せば、Audibleが頭に入ってくる作業、頭に入らない作業が分かるようになります。
オーディブルが頭に入ってくる作業は、あなたがほとんど無意識に出来てしまう作業です。
こうした作業は、積極的にAudibleを使っていきましょう。
下記の記事でも書きましたが、「ながら作業」が出来るか否かは、人によって違うので注意してください。
【関連記事】⇒ オーディオブックはいつ聞くのがいい?社会人におすすめの5つのタイミング
例えば私は割と料理が得意なので、オーディブルを聴きながら料理をしても、きちんと頭に入ります。
ですが、あまり料理に慣れていない方だと、オーディブルを聴きながら実践するのは難しいかもしれません。
人によって「ながら作業」が出来るか出来ないかは異なるので、自分が出来る作業でオーディブルを聴くようにしてくださいね。
対処法4.学んだことは即実践する
学習のためにオーディブルを使っている場合は、学んだことは即実践するように意識してみてください。
学んだことを即実践すれば、「本で学んだ内容が頭に入らない」という悩みはいとも簡単に消し飛ぶからです。
例えば、時間がない社会人におすすめの学習方法として、ポモドーロ・テクニックがあります。
補足
ポモドーロ・テクニックとは、「25分間勉強し、5分間休憩をとる」というサイクルを繰り返すテクニックのことです。
もし、オーディブルを聴いているときに「ポモドーロ・テクニック」の存在を知ったら、その日のうちに実践するというわけですね。
自分で実際に体験すれば、自分に合う・合わないが分かりますし、
- どれほどの効果があるのか?
- 使う場合と使わない場合はどう違うのか?
- 25分・5分のサイクルではなく、30分・10分にするとどう変わるか?
など、行動が伴わないと決して手に入らない、深い情報まで手に入ります。
そして何より、実体験に基づいた記憶であるため頭に入らないことはありません。
逆に実体験が伴わなければ、「ポモドーロ・テクニックは25分の作業と5分の休憩を繰り返すテクニックだ」という表面的な部分しか頭に残りません。
こうした表面的な部分は、時間と共に記憶から薄れてしまう…。
このような事態を招きかねないのです。
学んだことを即実践することは、本の内容を頭に入りやすくするだけでなく、より深く学習するためにも有効な方法です。
ちなみに、本の内容を即実践することは、他のライバルと圧倒的に差をつけられるというメリットもあります。
ビジネス書を時間の無駄にしないために意識したい3つのことでも解説しましたが、9割の人は本を読んでも行動しないからです。
対処法5.同じ本を何度も聴く
オーディブルが頭に入らない場合、同じ本を何度も聴いてみてください。
同じ本を何度も聴くことで頭に入りやすくなり、何周もすることで新しい発見があるからです。
先述のように、人の脳はすぐに忘れるように出来ているため、一度聞いただけでは全く覚えられません。
本の内容をきちんとインプットするためにも、同じ本を繰り返し何度も聴くことは有効なのです。
私の場合は、「これだ!」と思った本は10回以上は聴いています。
一時期狂ったように毎日聴いていたのが、デール・カーネギーの「人を動かす方法」です。
同じ本を何度も聴くと分かるのですが、本の内容がどんどん頭に入るのが分かります。
例えば、「あ、そういえばそうだったな」と答え合わせが出来ることがあれば、「あれ?そうだったっけ?」と自分の記憶違いを訂正することにもつながります。
こうした「自分の記憶」と「本の内容」を照らし合わせることで、本の内容がサクサクと頭に入ってくるのです。
オーディブルを聴いているけど、なかなか頭に入っていない…と思ったら、聴き直して再インプットしてみてください。
対処法6.状況によって再生速度を使い分ける
オーディブルを使う状況によって再生速度を使い分けるのも、Audibleが頭に入らないときの対処法のひとつです。
作業する内容によって、適切な再生速度が異なることがあるからです。
例えば私の場合、家事などの簡単な作業では3倍速で聴いています。
2倍速では遅く感じ、私にとっては3倍速がちょうど聴きやすく、ちょうど頭に入りやすい適切な速度です。
逆に、車を運転中の場合は2倍速で聴くようにしています。
車の運転は「安全運転」が何より最優先であり、常に周囲に気を配る必要があるからです。
周囲に気を配りながら3倍速のオーディブルを聴くのは、私にとっては少々難度が高く感じます。
加えて、運転中は集中力を要する場面が多く、再生速度が速ければ速いほど、聴き逃すシーンが増えていきます。
2.5倍速や1.5倍速も試したのですが、やはり私にとって聴きやすく・頭に入りやすいのは2倍速ということで、運転中は2倍速で聴くこととしました。
このように、集中する状況によってAudibleを使い分けると、頭に入りやすくなります。
もし、Audibleを聴いても頭に入らない……と感じるなら、状況によって再生速度を調整してみてください。
ちなみに、オーディブルは0.5倍速から3.5倍速まで速度を調整できます。
ぜひ、自分に合った再生速度を見つけてください。
対処法7.本を聴く前に「目的」を明確にする
Audibleを聴く前に、「なぜその本を読むのか?」「その本からどんな情報を得たいのか?」など目的を明確にしましょう。
本を読む前(聴く前)に目的を明確にすることで「カラーバス効果」が働き、本の内容がスッと頭に入ってくるようになるからです。
補足
カラーバス効果とは、ある物事を意識することで、その物事に関する情報が集まりやすくなる心理効果のことです。
言葉で説明されてもよく分からないと思うので、実際に体感していただきましょう。
まず、あなたの周りを見渡してみてください。
………見渡しましたか?
では次に、あなたの周囲にある「赤いもの」を探してみてください。
一回目に周囲を見渡した時と比べて、赤いものがたくさん視界に入ってきたのではないでしょうか?
これがカラーバス効果です。
人間の脳はGoogle検索に似たような機能を備えています。
特定の情報を見つけようと思えば、その物事に関する情報を無意識に集めてくれるのです。
こうした脳の性質を生かすために、読書する前には「その本から何を得たいのか?」と目的を明確にしましょう。
得たい情報を明確にすれば、それに関連する情報が勝手に集まるようになり、本の内容が頭に残りやすくなりますよ。
「Audibleを聴いているのに、結局何も頭に入っていない…」
上記のような悩みは、目的をもって読書をしていないからです。
目的を持たない読書は、何も意識せずに周囲を見渡すようなもの。
どの情報を取り入れればいいのか分からないため、結局は何も頭に残らなくなります。
読書をきちんと学びへと結びつけるために、本を読む前に「なぜその本を読むのか?」を明確にしましょう。
終わりに
以上、オーディブルが頭に入らない原因を解説するとともに、すぐに実践できる7つの対処法を解説しました。
記事中でも述べましたが、オーディブルが頭に入らないと感じる場合は、まずは「なぜ頭に入らないのか?どういうときに聴き逃しているのか?」と原因を探ってみてください。
原因を探れば対処法が見えてくるので、対処法が分かれば、あとは実践するだけで解決です。
全てを実践する必要はありませんので、あなたが「やってみたい」「これならできそう」と思う方法から試してみてくださいね。